TUの第一章をプレイしました。そしてそのシナリオの鬱っぷりにびっくりしました!
いまどきこんなに鬱展開なシナリオはなかなか見られません!
お前はシンジ君かってなくらいの落ち込みように驚きです。
「勇者の弟」という主人公の身分と、「魔法」を使用できる「天使」という特権階級のアンバランス!
今後の展開に目が話せません。
トートは勇者であるアインの弟としてこの世に生を受け、自らが望む形ではなく戦乱に巻き込まれます。
トートの力が必要であったからではありません。
組織が求めたのは「勇者の弟」としての肩書きのみ。
魔法も使えない、力も強いとは言えない。
あなたは組織の広告塔でありさえすればいい、…そんなトートに対し、組織の長であるジュレ隊長は平然と言い放ちます。
群集の支持を得るためだけの「勇者の弟」。
自身がそこにいる理由をトートは「戦わなければならない理由」と置き換え、語ります。
「戦う理由」ではなく、「戦わなければならない理由」…。
そこにトートの意思はありませんでした。
トートは、自分が死ぬまで勇者の弟であり続けなければならないと気づき、絶望します。
絶望…、その漆黒の暗闇からトートが抜け出る術とは。
…それはトートが「勇者の弟」以上の存在として周囲が認めることに他なりません。
しかしトートは…、勇者として覚醒しうるのでしょうか?
幼いトートの心は周囲からの見当違いの期待に押しつぶされ、自我を見失い崩壊してしまうのではないでしょうか?
そもそもトートは勇者になりたいのか…?
「勇者の弟からの解放」…、その先にトートが見ていた未来とはなんだったのでしょう。
平穏たる日々?
兄と比較されない自分?
それとも…。
そして、さらに物語は動きます。
現段階において、全ての物語は「アインが死んだ」仮定のもとに進んでいることにお気づきでしょうか。
しかし、アインは魔王を討伐に出かけて「帰ってこなかった」だけなのです。
死を確認した者は誰もいないはず…。
と、するならば真の勇者たるアインが生きていたとき、トートはその非力を必要とされるのでしょうか?
勇者アインさえいればトートは…!
組織の金繰りのためだけに利用されたトート、組織としても世間に知られてほしくない事実です。
そして、その事実を隠蔽するべくトートは…!
トートはその状況を、受け入れてしまうのでしょうか?
これこそが「勇者の弟」からの解放であると、甘んじて受け入れるのでしょうか?
魔王を倒すという正義感に目覚めることもなく!
人々を悪夢から救い出すという大義を果たすでもなく!
故郷の村に帰り退廃的な生活を送ることを善しとしてしまうのでしょうか!
「あの日、兄さんが死んだのは僕が望んだことだった」
「アインは死んだ」と、誰よりも強く確信し、断言しているのは、他でもないトート自身です。
しかしこのトートの発言には、単なる確信以上の意味が含まれているような気がしてなりません。
アインは魔王を討伐に出かけて「帰ってこなかった」だけなのです。
しかしトートは「あの日」と断言する…。なぜ日にちまでも断言できるのでしょうか!
そもそも、トートが望んだがためにアインは死んだのではないでしょうか!
アインが帰ってこなかったのは、本当に魔王との死闘に朽ち果てたからなのでしょうか!!!
あまりにも強く「勇者の弟からの解放」を望んだがために、アインは「殺された」のではなかったか…!!!
伏線と謎が織り成す数奇なシナリオ!第二章が本当に楽しみです!
魔法を使うのに1番大切なこと、それは…
思い出せ、あの日の特訓を、兄が伝えたその一字一句を!
時を超えてクロスする、現在と過去のトート!
思い出せ!
何もできないのはもうイヤだ!
今一度、アインに教えを請う!
非力なる無垢な弟としてではなく!勇者として!
それは、何かを守りたいという想い。
自分のためじゃない、誰かのために!
「僕のためじゃない、ティーユさんのために!」
心の中に描き、念じる!…強くッッ!
激しく感情を昂らせるトートに、優しく微笑み、手を差し伸べるアイン…。
「さぁ、やってみるんだ!」
…それが、僕の魔法!!!
結末は、みなさんご存知のとおりです。
勇者の称号は、装飾。
血筋や能力ではなく、取引で手にいれたその誇り。
それでも期待せずにはいられない変化。
「これからの僕は にいさんと同じ勇者なのだから」
同じ…?
ボクハ ナニモデキナイ ユウシャ。
その称号が生み出すものは誇り。
そう、煌びやかな誇りだけだった。
しかし…、あのとき、本当に魔法は発動していなかったのでしょうか?
逃げゆくトートに対してティーユが放った言葉は、何を意味していたのでしょうか?
「魔法は既に発動していた」
トートが生み出した、心の力。
傷つき、ボロボロにされた心で、必死に描いたティーユへの想い。
「魔法はティーユを救っていた」
一瞬にして殲滅される魔物たち。それは、勇者の奇跡。
だとしたら、トートが目の当たりにした無力なる自分は、いったい…。
こう考えてみてはいかがでしょうか。
トートの発動した魔法、それは周辺一体にいる生物に対して「生物自身が最も恐れる未来」を見せるものだったのです!
そして未熟なるトートは強すぎるその想いを、魔法を暴発させ、自らも魔法の影響下にへと陥ってしまったのです。
トートが最も恐れた未来。
それは、「また、何もできないこと」。
無力なる嬰児からの脱却。
偉大なる兄からの飛躍。
そして、自分を認めてくれた者への済度。
トートが願った全ての祈りは覆ったかに見え、再びトートは自らの存在意義を見失ってしまいました。
だが、魔法が発動していたとしたら…。
ティーユがトートに向けて発した「最後の言葉」もまた、悪夢に苛まれるティーユのものであったとしたら…。
わかりません、これは一つの仮定。
魔法原理主義とでも言うべき、天使を絶対的な存在と考える組織において、魔法を扱えるトートは重宝されることでしょう。
しかしそれもまた、トートの望む変化ではないのかもしれません。
キンカの悲痛なる願い。
「魔法が使えようが使えまいがそんなのカンケーねェんだよ!」
トートは一体、何に変わりたかったのでしょうか。
トートの期待した未来…。
そこには、どんなトートが笑っていたのでしょうか。
魔法を使いこなす、天使としての未来…?
誰からも認められる、真の勇者たる未来…?
いずれの未来においてもトートの目の前に立ちはだかるのは教会という存在。
教会は絶対。
教会は正義。
存在そのものが神聖であり、畏怖の対象。
そして、教会が認めた事象だけが真実。
しかし…、認めがたい事実が発見されたとしたら…。
教会がその自重を支えるための「前提」が覆ったとしたら…。
「魔法」
神より与えられた不思議な力、悪魔を倒すための神秘的な能力。
それを持つものは神に選ばれし者の意をこめて、天使と呼ばれる。
そう、この世界において魔法とは「人間」が「悪魔」を倒すために「神」から与えられた奇跡の力。
それが教会の定めた真実。
人々はこの幻想にとらわれ、執着し、勇者を求めます。
だが、もし「悪魔が魔法を使える」としたら…?
魔法は本当に「神が与えた奇跡」なのでしょうか。
そしてそのことが発覚したとき、教会は正義であり続けられるのでしょうか。
思い出して下さい。トートたちが魔族に急襲された、橋の上でのできごとを。
その真相を。
突如として現れた手に負えないほどの魔族。
放たれた炎によって分断される2人。
そう、魔族が放ったのは「紅蓮の炎」。
それはアインの炎と酷似してはいなかったか…。
アインが大司教の眼前で放った「裁きの炎」。
裁かれるのは、魔族か、それとも…。
急速に展開するシナリオ!謎が徐々にときあかされる第三章が待ちきれません!
トート「でも嫌だ!逃げるのはもう嫌なんだよ!そう逃げちゃダメなんだ!」
ティーユ「それはただ逃げ出した方がもっとツラいと感じているからよ」
トート「でも皆僕が嫌いじゃ無いのかなあ」
ジュレさま「あんた馬鹿?あんたが一人でそう思い込んでるだけじゃないの」
トート「でも僕は僕が嫌いなんだ。」
ティーユ「自分が嫌いな人は他人を好きに、信頼するようになれないよ」
トート「僕は卑怯で臆病でずるくて弱虫で」
スニム「自分を理解できれば優しく出来るものだ」
トート「僕は僕が嫌いだ。でも好きになれるかもしれない。僕はここにいてもいいのかも知れない。
そうだ。僕は僕でしかない。僕は僕だ。僕でいたい、僕はここにいたい、僕はここにいてもいいんだ!」
ティーユ「おめでとう」
ジュレさま「おめでとう」
スニム「おめでとう」
マリア「おめでとう」
キンカ「おめでとう」
ミキ「おめでとう」
大司教「おめでとう」
アイン「おめでとう」
トート「ありがとう」
これは ひどい